ミュージシャンの尾崎世界観さんが「新潮2020年12月号」に寄稿した「母影(おもかげ)」が、第164回芥川賞候補として選出され話題となりました。
どんな内容なのか気になっている人も多いと思うので「母影」のあらすじを紹介しますね。
尾崎世界観「母影」のあらすじは?
「母影」は、小学校低学年の少女目線の物語です。
主人公は母子家庭で学校には友達がおらず、学校帰りは毎日母親が勤めているマッサージ店を訪れ、空きベットで過ごしていました。
少女は、カーテンの向こうであまりよく見えないけれどなんとなく怪しいマッサージが行われていることを察知します。
昔は女の人も施術していたのに、母親の元に来るお客さんはいつの間にか「おじさん」ばかりに…。
お客さんの「壊れたところを直している」母親は日に日に苦しそうになっていき、少女は願います。
「もうこれ以上お母さんの変がどこにも行かないように」と。
あらすじをみると、独特なストーリーで尾崎世界観さんのファンはもちろん、本が好きな人ならみんな楽しめそうな物語ですね。
尾崎世界観「母影」の結末ネタバレ
あらすじを見て結末が知りたくなったという人もいますよね。
ここからは「母影」のネタバレを含みますので、自分で読みたい!という人は注意してくださいね!
少女の母親が勤めているマッサージ店はもともとはごく普通のマッサージ店でしたが、店長が方針を変えてから性的なサービスを受けれるとの評判が立ち、男の客ばかりになっていきます。
カーテン1枚を隔てたところで勉強している少女は大人たちの会話に耳をそば立てます。
作中の大人同士、子供同士の会話には抜群のリアリティがあって、物語に引き込まれていく内容になっています。
カーテンの向こう側で起きていることは、大人ならすぐに分かるでしょう。
でも、小学生の少女の目線だと、何か変なことが行われているということは雰囲気で分かるのに何がどう変なのかわからないといったもどかしさ。。
そして母の存在が遠くなってしまうのではないかという子供ながらに感じる不安。
そういった感情を少女は本作の終盤で「作文」に書くことを決めます。
作文を書くと決めたことで、読み書きしか出来なかった少女の世界が広がり、母親と娘の関係に変化が現れるようなニュアンスで物語は幕を閉じます。
大人になると、小学生から見た世界って意外と気づかないですよね。
「母影」は、どこか懐かしくもあり切なさを感じる作品になっています。
尾崎世界観「母影」を読んだ人の感想は?
では実際、尾崎世界観さんの「母影」を読んだ人の感想をいくつか見てみましょう。
ツイッターで読者の感想を調べたところ、
「尾崎世界観さすが」
「ものすごく尾崎世界観だった」
「物語に引き込まれる」
などといった投稿がたくさんありました。
尾崎世界観さんいわく、今まで書いてきた小説の中でもっとも長いものになったそうで、書くことへの勇気や小学生の世界を気付かされる作品になっています。
まだ「母影」を読んでいない人はぜひ、一度読んでみることをおすすめします!